千反田えるはなぜ折木奉太郎のことを気にかけているのか?

折木奉太郎といえば、脱力系男子であり、将来はどうなるのかわからない男である。



彼は、なぜ何事にも非積極的なのか?
おそらく、作中では語られなかったが彼自身が過去に大きな傷を負い、敗北し悟ったのだろう。
人間には一見普通に見えても、何かひとつぐらいそのような暗い過去があるのが普通である。
まず、姉という大きな存在が常に目の前におり、彼女の存在が男としてのプライドを徐々に萎縮させ、次第に現実を達観し諦めたに違いないのである。
そのため、敗北の中で生きることに力を使うのは無駄だと思い彼自身ができるだけ人生と戦わず楽に生きれるようになるという安定志向に走ったのである。

そんな、自堕落でどうしようもない男こそほおっておけないのが千反田えるの母性本能だろう。
しかし、そんなことは表に出さず、彼女自身のやり方で折木奉太郎に対してもっと人生を前向きに生きるように働きかけているのだが、次第に折木奉太郎自身も千反田えると過ごすことで情熱を取り戻していくことになるのである。

折木奉太郎は千反田えるのことを最初は、面倒くさい女だと思っていたけど次第に外面的な魅力だけではなく、自分にはない彼女自身の内面的な魅力にも惹かれていくことになる。



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